女性の方は顔や足、手などの「むくみ」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
むくみには疾患が原因となり起こっている場合もありますが、一時的な解消方法のある「むくみ」もあります。
今回は「むくみ」の原因と予防や解消方法を解説していきます。

目次
むくみと脂肪の違い
まず、むくみと脂肪の違いについて理解しましょう。
どちらの場合も体重は増えますが、むくみと脂肪とは全くの別のものであり、むくみは足や手、顔などに水分が以上に増加した状態であり、脂肪とは脂肪分が増加することです。
簡単に区別する方法は、むくんでいるところを指で強く押してみます。
指を離すと、押した指の形に凹みができていれば「むくみ」です。これが脂肪の場合であれば凹みはできません。
ひどいむくみになると3~4日で体重が10kgほども増加することもありますが、脂肪の場合ではここまでの急激な体重増加はありません。
足の「むくみ」の原因は?

私たちの体の中で、もっとも「むくみ」が起こりやすいのが足です。それは、心臓から遠い位置にあることで血液の流れが滞りやすくなるためと、重力の影響によって水分がたまっていってしまいやすいからです。
足のむくみは同じ姿勢を続けることで起こりやすくなり、立ち仕事の人でも、デスクワークの人でも多くみられます。原因としては、同じ姿勢を続けることにより、足の血液に流れが悪くなり、細胞の隙間などに水分が停滞することから起こります。
また、疲れが溜まっている時や、睡眠不足になった時にもむくみは起こりやすくなります。
これは血液を送り出す心臓の活動が低下するためです。足の筋肉は第二の心臓とも呼ばれており、血液を心臓に戻すポンプのような役割もしているため、筋力が低下することで血液をうまく送り出すことができずに、血液中の水分が停滞してしまします。
また、女性の方は生理中にも足がむくみやすくなります。生理になると女性ホルモンの分泌量が増え、血管が拡張されてしますからです。
さらには、きつい下着を着用した場合にも血行が妨げられ、血液の流れがスムーズにいかずに足がむくみやすくなります。
むくみの原因は病気の可能性も?

むくみの原因としてアルブミンの量が低下すると、細胞の隙間にある水分を血管に取り込む力が弱くなり、水分が溜まりやすくなることがわかっています。
アルブミンは血液中に多く含まれるたんぱく質の1つであり、アミノ酸などの栄養素を運んだり、血液の浸透圧を調節する働きをしています。浸透圧とは、血管に水分を取り込んだり、排出したりする時の圧力のことです。
アルブミンは、食物に含まれるたんぱく質をもとに肝臓で合成され、腎臓でろ過されています。このため、アルブミンが低下すると、肝臓や腎臓に障害がある可能性が考えられます。その時のサインの1つがむくみとなるのです。
また、肝臓の障害(肝硬変)を起こした場合には、足だけでなく全身がむくむこともあります。腎臓の障害の場合には、顔にむくみが出ることも少なくないようです。
ですので、むくみが何をしてもなかなか治らないと思った時には、医療機関を受診して膵臓や腎臓の機能を確認してみましょう。症状がみられた際には早めに受診をおすすめします。

心不全などの心臓障害や下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)でも、足のむくみとなります。どちらの場合も夕方になると、足のむくみと疲れが出やすく、一時的なむくみとは異なり、症状が継続する場合には注意が必要です。
心不全では、心臓の機能が弱くなり血液を送る圧力が低下することで、心臓から遠い足の血行が悪くなり、足のむくみなどの症状を引き起こします。ほかにも、階段を駆け上がった時の息切れが強くなったり、動悸がしたりの症状がみられます。
足のむくみから、心不全の原因となる動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などの思い病気が発見されることもあります。
下肢静脈瘤とは、足の静脈にある逆流を防ぐための弁に障害が起き、足の血管がこぶのようにボコボコとふくらんできます。すぐに命にかかわる病気ではありませんが、女性にとっては深刻な問題となります。初期の段階なら弾圧ストッキングを着用することで、改善されることもありますが、一度病院に受診することをおすすめします。
むくみを解消させる方法
むくみを解消させるためには、足にたまった血液を送り出してあげることが大切です。日頃から意識して習慣づけていきましょう。
つま先立ち(カーフレイズ)

つま先立ちを行うことで、ふくらはぎの筋肉を収縮させることができ、血液を送り出すポンプ作用を促すことができます。
立った状態はもちろん、座った状態でも効果が期待できますので、仕事中でも、家事をしている時でも行っていきましょう。
初めはしっかりと行うと筋肉痛にもなりますので、無理をせずに10回×1セットから行います。
かかとを上げる時は、できる限り高く上げるように意識するのがポイントです。
寝る時に足を高くする

枕や座布団などを足の下に敷いて10~15cmほど足を上げ寝ます。
重力を利用し下半身の血液の流れをよくするので、1日行っただけでも効果を実感できると思います。
ただ、あまり高くしすぎてしまうと足の付け根が圧迫され、逆に血液の流れが悪くなる可能性があるのでほどほどにしましょう。
ふくらはぎのマッサージ

足首から膝裏にかけ両手でさすってリンパを流してあげます。もみほぐしながらスライドさせるのも効果的であり、手の甲で押しながら上にスライドさせるのも効果が期待できます。
また、膝の裏にあるリンパもやさしく押してあげましょう。
むくみにならないように予防する

日頃からの心掛け一つで、足のむくみを予防することができます。
水分不足で水分を溜め込む体に!

むくみの原因が水分と言われると、どうしても水分を制限してしまい、水分を摂らないようにする人が多いようです。ですが、逆に水分不足からむくみを起こしていることもあります。水分不足を感じた体は危険信号を出して、水分を省エネしないと!と溜め込んでしまうようになります。
むくまないために、1日の水分摂取目安は体重×30mlと言われています。体重50kgの人で1.5㎘の水分を必要とします。
この時、コーヒーやお茶で水分を補給しようとすると、コーヒーやお茶に含まれているカフェインに利尿作用があるため、逆に出て行ってしまします。ですので、水分を補給するものとしては避けるべきであり、ジュースなどの糖分の多い飲み物もおすすめできません。
立ち仕事の人は歩き方の改善
立ち仕事で1日中歩き回っているのに、なんでむくんでしまうんだろう?という方は、歩く姿勢が前重心になっているのが原因かもしれません。この状態では足の筋肉の使い方がアンバランスになり、リンパの流れが悪くなってしまいます。ですので、重心をかかとの真ん中に来るように意識しましょう。
立ち姿勢や歩く姿勢が改善されれば、ふくらはぎがしっかりと収縮し、むくみにくくなります。
そして、足を動かすことを意識しましょう。
デスクワークの人はこまめにトイレへ

デスクワークでは書類作りに集中して、お昼まで1度もトイレに行かなかったということもあるかもしれません。
そういった人は1時間に1度はトイレに行くように意識します。というよりも、そんなに出ないと思いますので、コピーを取りに行くなり、資料を取りに行くなりして1時間に1度は立ち上がり少し足を動かすことが重要です。
そんな暇はないという人は、机の下でつま先立ちをしたり、足首を回りたりと動かすことでも、ふくらはぎの筋肉を動かすことはできます。
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